PSYCHO-PASS サイコパス VOL.3
PSYCHO-PASS サイコパス VOL.3

↑最初が2話収録、2巻以降が各3話収録らしいので、この話からDVD3巻と。



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EVA観に行っていた&余りのガッカリぶりに気力を吸い取られ、視聴が遅れました。サイコパス第6話「狂王子の帰還」の感想です。


冒頭はノイズ混じりのグロ画像ですが、これをきっかけに咬噛は監視官から執行官に落っこちたわけですね。やはり、この世界では割と簡単にサイコパス認定されるのでしょう。本来、監視官は上がりにくいことをもって任命されているわけですから。
一回堕ちると回復しても札付き扱いというゼロトレランス社会ですから、サイコハザードは最悪国家の基盤を揺るがす概念となるわけですね。実際には犯罪係数が簡単に上がってしまうにも関わらず、「閾値を超えるのは極めて少数」であるという欺瞞の上に予防原則を振り回しているというのが、このディストピアにおける一番根っこの設定と言う事になります。


従って、この上司が宜野座にかける「疑わしきは罰する」式の圧力も、あの社会においては極めて常識的な認識と言う事になるわけです。


そう言う社会であれば、禁酒法も通ろうってわけですね。いや、言わば常識として誰も飲もうとせず、結果市場も崩壊していると言う事でしょうか。昨今の表現規制(胸くそ悪くて最近はだいぶエントリーが途絶えていますが、関連エントリーはこちら)の進み方など見ていると、逆にリアリティがあって嫌ですねえ。

しかし、一方で不健康の極みであるカップ麺などは残っているのですよね。それとも、あれも監視官ならではの特権なのか、あるいは極めて健康的な中身に変わっているのか?


さて、今回は舞台が女子校なわけですが、背景としての機能は3話の工場と同じ閉鎖社会。解りやすく嫌らしい舞台の選び方で、私としては丁寧な語り口に好感が持てます。夕日の美術室のシーンで、背景の窓が狭い格子状で露骨に牢獄をイメージさせる辺り、露骨ですよね。勿論何度も続けられれば飽きるわけですが、今は「点」としての事件を連ねて、後に描き出される全体像への布石とする段階ですから、構わないでしょう。


さて、ちゃんと以前の事件をあとから引っ張り出して伏線として使うのは、やりっ放しではなく○。基本ですけど、こうやって個々の事件を本筋に結びつける効率的な作劇法は、蔑ろにした瞬間恐ろしく話が散漫になっていきますから。
取り調べ2時間がかかるという言い訳も効きますし、この辺は刑事物の面目躍如でしょうか。過去の事件にこだわり続ける老刑事、と言うステロタイプは、やっぱり使い勝手が良いですねえ。(紙のファイルってどうよ?と言う話は置くとして)
ところで、取調過程が可視化されているだけ、このディストピアは現在よりマシですね。


さて約1/4を消化したところで黒幕が姿を見せ、物語はまず最初の山へ、と言う所でしょうか?
現時点だと、マキシマはあくまでもシステムを逆利用して暗躍(サイコパス診断から、犯罪者となり得る人間をピックアップしているらしいですから)しているように見え、あくまでもシステムの寄生虫・裏利用者です。これは、ここからいくらでも話を拡げていける入口ですから、今後が楽しみですね。

では、また来週。



タイタス・アンドロニカス シェイクスピア全集 〔6〕 白水Uブックス

↑お約束として、劇中に出てきたタイタス・アンドロニカスの載ってる本でも貼っときますが、古い戯曲の台本って死ぬほど退屈なので、読む人は頑張ってと言う感じ。筋はともかく、翻訳やテンポがねえ……




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